この小説には魔法がかかっている【少年時代 ロバート マキャモン】

 

 

少年時代〈下〉 (ヴィレッジブックス)

少年時代〈下〉 (ヴィレッジブックス)

 

 

魔法がかかっている。

この本には魔法がかかっている。

 

舞台は1960年代のアメリカ。

小さな町ゼファーで起きた殺人事件を軸に、

春夏秋冬、12歳の少年が過ごす一年をみずみずしく描いている。

 

いいことも悪いことも、全てがキラキラしてる。

自転車に乗ればどこまでだって行けるし、川には怪物がいて、友達とお祭りではしゃぐ。いじめっ子と対決したり、夏休みが始まった日には空だって飛べる。

 

大人になってしまった今でも、脳はあの時の全能感を覚えている。

 

世界を獲得していく喜びと

全てが移ろっていく人生の手触りを味わえる一冊。

最後の父親との対話は号泣ですわ。 

 

この本を読んだら、きっと人生って素晴らしいと思える。

そんな感じ。